暗号化
Telegramはエンドツーエンド暗号化されている?
2026年11月6日更新10分で読めます
結論から言うと、一部だけです。普段使っているTelegramのチャット、すべてのグループ、すべてのチャンネルは、エンドツーエンド暗号化されていません。エンドツーエンド暗号化されるのはシークレットチャットだけで、それも自分で、相手ごとに一つずつ始める必要があります。
Telegramはプライバシーに強いアプリというイメージがあるので、意外に思う人も多いでしょう。そこでこの記事では、Telegramが実際に何を暗号化し、何を暗号化していないのか、エンドツーエンド暗号化される部分をどう有効にするのか、そして暗号化のことを一切考えなくて済むアプリを使いたいなら何を選べばいいのかを見ていきます。
ざっくりまとめると
Telegram自身のFAQをもとに整理すると、次のとおりです。
- 通常の1対1のチャット:エンドツーエンド暗号化されていません。スマートフォンとTelegramのサーバーの間で暗号化され、Telegramのクラウドに保存されます。
- グループ:エンドツーエンド暗号化されておらず、それを変える設定もありません。
- チャンネル:こちらもエンドツーエンド暗号化されていません。
- シークレットチャット:エンドツーエンド暗号化されます。ただし1対1のみで、自分で始めた場合だけ、しかも始めた端末でしか使えません。
- 音声通話とビデオ通話:グループ通話も含めて、エンドツーエンド暗号化されます。
つまり、シークレットチャットを一度も始めたことがなければ、あなたのTelegramのメッセージはこれまで一度もエンドツーエンド暗号化されていない可能性が高いということです。
エンドツーエンド暗号化とは、そもそも何か
エンドツーエンド暗号化とは、メッセージにあなたのスマートフォンで鍵がかけられ、話している相手のスマートフォンでしか開けられない仕組みのことです。その途中にあるものはすべて、アプリを運営する会社も含めて、意味をなさないデータしか目にしません。
手紙を送る場面を想像してみてください。通常のクラウドチャットは、郵便局に預けた手紙を郵便局が開封し、コピーを保管してから配達するようなものです。エンドツーエンド暗号化は、友だちだけが鍵を持っている鍵付きの箱です。郵便局は箱を届けますが、中をのぞくことはできません。
「暗号化されている」とうたうアプリはたくさんあり、たいていは何らかの形で実際に暗号化されています。本当に大事なのは、誰が鍵を持っているかです。エンドツーエンド暗号化なら、鍵を持つのは両端の二人だけ。そうでない方式では、アプリのサーバーも鍵を持っているので、見ないと約束していても、あなたのメッセージを開けることができます。
メッセージが届くまで
Telegramの通常のチャット
エンドツーエンド暗号化(Morseのすべてのチャット)
鍵を持っている
もっと詳しく知りたい方は、エンドツーエンド暗号化の仕組みを解説したガイドをどうぞ。
Telegramはあなたのメッセージを読める?
シークレットチャットなら読めません。通常のチャットでは鍵をTelegramが持っているので、正直に言えば、あなたのプライバシーはTelegram次第ということになります。
Telegramは通常のチャットを「クラウドチャット」と呼んでいます。Telegram自身の説明によると、クラウドチャットは「クライアント・サーバー/サーバー・クライアント暗号化」を使い、「Telegramクラウドに暗号化されて保存」されます。わかりやすく言うと、メッセージはあなたのスマートフォンからTelegramに届くまでと、Telegramから友だちに届くまでの間は守られています。でもTelegramのところでは、Telegramが扱える形で届きます。その後、Telegramが持つ鍵で暗号化されて保存されます。Telegramによれば、その鍵は分割され、守っているデータとは別の場所に保管されているそうです。
それこそが、Telegramが便利な理由です。ログインしたすべてのスマートフォン、タブレット、パソコンにチャット履歴がまるごと表示され、買ったばかりの端末からでも何年分ものメッセージを検索できます。これができるのは、Telegramがあなたのチャットのコピーを、自分で読める形で持っているからにほかなりません。
チャットはどこに保存される?
Telegramの通常のチャット
Morse
鍵を持っている
つまり、トレードオフはシンプルです。クラウドチャットでは、あなたのプライバシーはTelegramがシステムをどう運用するかにかかっています。エンドツーエンド暗号化は、誰のシステムも信頼しなくて済むように作られています。信頼するのは数学だけです。
シークレットチャット:エンドツーエンド暗号化される部分
シークレットチャットでは、Telegramもエンドツーエンド暗号化を使っています。Telegramの言葉を借りれば、「あなたと受信者だけが、そのメッセージを読むことができます」。シークレットチャットは、同じ相手との通常のチャットとは別のチャットとして、その隣に表示されます。
ただし、いくつか条件があります。
- 相手ごとに、自分で始める必要があります。
- 1対1専用です。グループ用のシークレットチャットはありません。
- 一つの端末にしか存在しません。スマートフォンで始めると、ノートパソコンやタブレットには表示されません。
- 同じ相手との通常のチャットもその隣で続いているので、気づかないうちに違うほうに書き込んでしまいがちです。
どのチャットがエンドツーエンド暗号化されている?
あなたのTelegramのチャット
- おお母さんエンドツーエンド暗号化なし
- 家家族グループエンドツーエンド暗号化なし
- 仕仕事のチームエンドツーエンド暗号化なし
- ささくらエンドツーエンド暗号化なし
- ささくらシークレットチャットエンドツーエンド暗号化
あなたのMorseのチャット
- おお母さんエンドツーエンド暗号化
- 家家族グループエンドツーエンド暗号化
- 仕仕事のチームエンドツーエンド暗号化
- ささくらエンドツーエンド暗号化
エンドツーエンド暗号化エンドツーエンド暗号化なし
シークレットチャットには、ほかにもいくつか特徴があります。Telegramによると、サーバーに痕跡を残さず、一定時間後にメッセージが自動で消えるよう設定でき、転送もできません。
シークレットチャット自体はしっかりしています。問題は、任意であるために、ほとんどの会話で使われないことです。自分でオンにするのを覚えておかなければならないセキュリティは、たいていオフのままになります。
Telegramでエンドツーエンド暗号化を有効にする方法
すべてのチャットのエンドツーエンド暗号化を一度に有効にする設定はありません。できるのは、相手一人ずつとシークレットチャットを始めることだけです。iPhoneでもAndroidでも、手順は次のとおりです。
- 1プライベートに話したい相手とのチャットを開き、上部の名前をタップしてプロフィールを開きます。
- 2プロフィールのメニューを開き、シークレットチャットを始める項目をタップします。新規メッセージの作成画面から、新しいシークレットチャットを選ぶこともできます。
- 3相手がオンラインでなければ、相手がオンラインになるのを待っているという表示が出ます。相手のスマートフォンがつながって鍵の交換が終わると、シークレットチャットが始まります。
- 4それ以降は、鍵のマークが付いた新しいチャットを使います。その相手との元のチャットはそのまま残り、エンドツーエンド暗号化されないままです。
プライベートに話したい相手ごとに、これを繰り返してください。また、シークレットチャットは始めたスマートフォンにしか存在しないことも覚えておきましょう。グループでは、そもそもこの方法がありません。
シークレットチャットが本当にエンドツーエンド暗号化されているか確かめる方法
Telegramのシークレットチャットには、それぞれ確認できる暗号鍵があります。シークレットチャットを開いて相手の名前をタップし、暗号鍵の項目を探してください。そのチャットの鍵から作られた画像と文字列が表示されます。
次に、それを相手のスマートフォンに表示されているものと比べます。できれば並べて、または通話しながら確認しましょう。Telegram自身の説明では、両方の端末で同じに見えれば「エンドツーエンド暗号化が保証されます」。一致しない場合は、誰かが間に入り込んでいる可能性があるので、そのチャットではプライベートなことを話さないほうがいいでしょう。
Telegramのグループはエンドツーエンド暗号化されている?
いいえ。ここがいちばん驚かれるポイントです。Telegramを主にグループのために使っている人はたくさんいます。家族のチャット、友だちのグループ、仕事のチーム、地域のコミュニティなどです。そのどれもエンドツーエンド暗号化されておらず、それを変えるスイッチもありません。シークレットチャットは1対1専用だからです。
チャンネルも同じです。公開チャンネルなら、どうせ誰でも読めるので理にかなっています。でも、家族だけの非公開グループも、公開チャンネルと同じようにTelegramのクラウドに保存されているのです。
Telegramの写真やファイルはエンドツーエンド暗号化されている?
シークレットチャットの中だけです。通常のチャットやグループで送る写真、動画、ボイスメッセージ、ファイルは、メッセージと同じように扱われます。送信中は守られ、その後はTelegramが鍵を持つTelegramのクラウドに保存されます。
シークレットチャットでは、送った写真やファイルもメッセージと一緒にエンドツーエンド暗号化されます。つまり、ルールはすべてに共通です。送るものがエンドツーエンド暗号化されるのは、先にシークレットチャットを始めた場合だけです。
Telegramの通話はエンドツーエンド暗号化されている?
はい。これは素直に評価すべき点で、通話はTelegramがよくできている部分です。FAQによると、音声通話とビデオ通話はエンドツーエンド暗号化されていて、最大200人のグループ通話も同様です。
通話は大丈夫です。問題はメッセージのほう。多くの人が一日中使っているものなのに、エンドツーエンド暗号化が当たり前ではなく、例外になっています。
なぜTelegramは標準ですべてを暗号化しないのか
これについてはTelegram自身が説明しています。エンドツーエンド暗号化では鍵がTelegramのサーバーではなくあなたの端末にあるため、新しい端末に履歴をすべて移すのが難しくなります。そこでTelegramは、普段のチャットにはクラウドを選び、シークレットチャットを別の選択肢として用意しました。
ただ、実現できないわけではないことも知っておく価値があります。WhatsAppもSignalも、ノートパソコンなどリンクした追加の端末でも、チャットをエンドツーエンド暗号化したまま使えます。つまり、複数の端末を使う方法はクラウドだけではありません。Telegramがそれを選んだというだけです。
これはごまかしではなく本当のトレードオフで、クラウド同期が便利なのも確かです。ただ、Telegramでは便利さが標準で、プライバシーはひと手間かけて手に入れるものということになります。ほかのアプリは逆の判断をしました。すべてを、いつでも暗号化し、アプリのほかの部分はそれを前提に作るという判断です。
Telegram、WhatsApp、Signal、Morseの比較
標準でエンドツーエンド暗号化されるアプリを求めているなら、主なアプリの比較は次のとおりです。WhatsAppとSignalは、Morseと同じく、すべてのチャットと通話を標準で暗号化します。Morseが違うのは登録方法で、電話番号はまったく必要ありません。
1対1のチャット
- Telegram
- シークレットチャットのみ
- 標準で有効
- Signal
- 標準で有効
- Morse
- 標準で有効
グループチャット
- Telegram
- なし
- 標準で有効
- Signal
- 標準で有効
- Morse
- 標準で有効
音声通話とビデオ通話
- Telegram
- 対応
- 対応
- Signal
- 対応
- Morse
- 対応(1対1)
電話番号もSIMカードも不要
- Telegram
- 番号が必要
- 番号が必要
- Signal
- 番号が必要(番号なしの方法はベータ版)
- Morse
- 番号は不要
| Telegram | Signal | Morse | ||
|---|---|---|---|---|
| 1対1のチャット | シークレットチャットのみ | 標準で有効 | 標準で有効 | 標準で有効 |
| グループチャット | なし | 標準で有効 | 標準で有効 | 標準で有効 |
| 音声通話とビデオ通話 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応(1対1) |
| 電話番号もSIMカードも不要 | 番号が必要 | 番号が必要 | 番号が必要(番号なしの方法はベータ版) | 番号は不要 |
Telegramは安全に使える?
何に使うかによります。大きな公開チャンネルをフォローしたり、オープンなコミュニティに参加したりするだけなら、エンドツーエンド暗号化はそれほど重要ではありません。内容はもともと公開されているからです。
プライベートな会話となると話は別です。健康のこと、お金のこと、人間関係、相手との間だけにとどめておきたい仕事の話などです。そうした会話には、グループも含めて、どこでも標準でオンになっている暗号化が必要です。
Telegramを使い続けるなら、次のことで安全性を高められます。
- プライベートな話にはシークレットチャットを使い、正しいチャットに入力しているか念のため確認しましょう。
- プライバシーとセキュリティの設定で2段階認証をオンにしましょう。そうすれば、スマートフォンに届くコードだけではアカウントを乗っ取られません。
- 電話番号の設定で、番号を誰にも表示しないようにしましょう。ほかのユーザーから番号が見えなくなります。
- 大切な話はグループでしないようにしましょう。グループは決してエンドツーエンド暗号化されないからです。
そして、暗号化が守るのは話した内容であって、誰といつ話したかではありません。これはメタデータと呼ばれる別のテーマで、こちらも知っておく価値があります。
もう一つ:電話番号のこと
暗号化はプライバシーの一部にすぎません。Telegramは登録に電話番号も必要とし、電話番号はさまざまな場所であなたの本名と結びついています。携帯電話会社、銀行、友だちのアドレス帳などです。
Telegramではほかのユーザーから番号を隠せるので、それは役に立ちます。でも、アカウント自体はやはり電話番号から始まります。気になる方は、電話番号なしのメッセージングもご覧ください。
いつでもオンの暗号化が欲しいなら
私たちがMorseを今の形で作ったのは、まさにこのためです。Morseでは、最初のメッセージからすべてがエンドツーエンド暗号化されます。1対1のチャット、グループ、写真、動画、ボイスメッセージ、ステッカー、そして1対1の通話。オンにするものも、覚えておくべきシークレットモードもありません。モードは一つしかないからです。
内部では、前方秘匿性を備えたSignal Protocolを使い、その上に耐量子鍵交換(ML-KEM)を重ねています。私たちのサーバーは、自分たちでは読めない暗号化されたメッセージを届けるだけです。メッセージを一定時間後に消えるよう設定することもできます。さらに、登録に電話番号もメールアドレスも一切必要ありません。Morse IDが発行され、それを誰に教えるかはあなたが決められます。
Telegramからの乗り換えを考えていますか?MorseとTelegramの比較で違いを並べてご覧いただけます。詳しくはセキュリティページで、さらに深く知りたい方にはMorseセキュリティホワイトペーパー(英語)もあります。
いつでもオンのエンドツーエンド暗号化をお探しですか?
Morseを試してみてください。電話番号は不要で、1分で使い始められます。
まとめ
Telegramはエンドツーエンド暗号化されているのか?通話とシークレットチャットは、されています。通常のチャット、グループ、チャンネル、つまり実際に多くの人が使っている部分のほとんどは、されていません。
だからといって、Telegramが何もかもダメというわけではありません。大きな公開チャンネルやオープンなコミュニティにはぴったりです。でも、プライベートな会話を、何も考えなくてもプライベートなままにしておきたいなら、すべてが標準でエンドツーエンド暗号化されるアプリを選びましょう。それこそが、Morseの考え方そのものです。
FAQ