セキュリティ
WhatsAppのメッセージは、別のスマホから読まれることがある?確認する方法
2026年11月6日更新7分で読めます
結論から言うと、あります。しかもほとんどの場合、暗号を破る人は誰もいません。チャットが完璧にエンドツーエンド暗号化されていても、ほかの人の画面に表示されることがあるのです。アプリそのものが、アカウントにデバイスを追加できるようになっているからです。
2026年9月、netzpolitik.org(ドイツ語)は、ドイツの税関捜査局の内部文書を公開しました。そこには、警察と税関がスパイウェアを使わず、この方法で容疑者のWhatsApp、Telegram、Signalのチャットを日常的に読んでいることが示されていました。あるケースでは、捜査官が両親にスマートフォンを渡すよう求め、警察のパソコンでWhatsApp Webを開き、そのQRコードを両親のWhatsAppで読み取りました。それ以降、新しいメッセージをすべて読めるようになったのです。記事で取り上げられているIT刑法の教授は、このやり方は違法だと考えています。
警察にできるなら、嫉妬深いパートナーにも、詮索好きな同僚にも、詐欺師にもできます。ここでは、その仕組みと、すべてのアプリを数分で確認する方法、そして他人を二度と入り込めないように締め出す方法を紹介します。
起こりうる3つの経路
あなたのメッセージに入り込む簡単な方法は3つあり、どれも暗号を破る必要はありません。
- リンクしたデバイス。WhatsApp、Signal、Telegram、iMessage、Google メッセージ、Messengerは、どれもパソコンやタブレットでアカウントを使えるようになっています。ロックを解除したあなたのスマートフォンを1分でも手にすれば、誰でも1台追加できてしまいます。しかもスマートフォンを返したあとも、その端末はやり取りを読み続けます。
- 電話番号。WhatsApp、Telegram、Signalでは、電話番号がそのままログインになります。その番号に送られたコードを手に入れた人は、あなたとしてログインできます。
- スマートフォンそのもの、またはそのバックアップ。同じApple Accountでサインインしているほかのデバイス、メッセージを同期しているパソコン、あるいは誰かがインストールしたスパイアプリです。
ひとつずつ見ていきましょう。
1. リンクしたデバイス:警察が使う方法
リンクしたデバイスには、すべてのメッセージのコピーがそれぞれ届きます。WhatsAppとSignalでは、送信者のアプリが、あなたのアカウントにあるデバイスごとにメッセージを1通ずつ暗号化します。あなたのスマートフォンにも、誰かが追加したノートパソコンにもです。エンドツーエンド暗号化は完璧に機能したままです。ただ、そのノートパソコンも、あなたの「端」のひとつとして数えているだけなのです。
警察だけではありません。2025年2月、Googleの脅威インテリジェンスチームは、ロシアとつながりのあるハッカー集団が、Signalのユーザーに罠を仕込んだQRコードを送っていたと報告しました。グループへの招待に見せかけたものもありました。読み取ると、攻撃者のデバイスが被害者のアカウントにひそかにリンクされてしまうのです。
リンクしたデバイスがやり取りを読む仕組み
Alexがメッセージを送信
デバイスごとに暗号化したコピーを1つずつ
あなたのスマートフォン
あなたのアカウントにリンクされたノートパソコン
誰かがスマートフォンを手にした1分間で追加
よい知らせもあります。リンクしたデバイスはアプリの設定に表示され、削除することもできます。WhatsAppは、30日間使われていないリンク済みデバイスをログアウトさせ、Google メッセージも数週間でペア設定を解除します。ただし、毎日のぞき見している人がいれば、リンクは切れずに残ります。
ほかの端末からメッセージを読まれていないか確認する方法
使っているアプリを一つずつ開いて、デバイスの一覧を見てみましょう。心当たりのないものがあれば、ログアウトさせてください。
アカウントのデバイスを確認できる場所
- 1iPhone設定リンク済みデバイス
- 2Android⋮ その他のオプションリンク済みデバイス
- 3心当たりのないデバイスをタップログアウト
心配なアプリだけでなく、使っているすべてのアプリで確認しましょう。TelegramやGoogle メッセージにリンクされたパソコンでも、WhatsAppにリンクされたパソコンと同じように読めてしまいます。
2. 電話番号:コードを手に入れた人がアカウントを手に入れる
WhatsApp、Telegram、Signalでは、電話番号がそのままアカウントです。その番号を持っていることを証明すれば、たいていはSMSで届く6桁のコードで、ログインできてしまいます。Telegram自身のよくある質問も、2段階認証をオンにすれば「電話番号だけではアカウントにログインできなくなる」と、はっきり書いています。
WhatsAppで最もよくある詐欺は、まさにこの仕組みを利用しています。メッセージが届きます。すでに乗っ取られた友だちのアカウントから届くことも少なくありません。「ごめん、間違えてコードを送っちゃった。送り返してくれる?」。でも、そのコードはあなたのもので、あなたのアカウントのためのものです。送ってしまうとあなたはログアウトされ、ほかの誰かがあなたの新しいメッセージを受け取り、あなたになりすまして連絡先にメッセージを送るようになります。
コード詐欺は、こんなふうに届く
SMS
WhatsAppのコード:482-913。このコードは誰とも共有しないでください。
Sam
ねえ!ごめん、間違えて6桁のコードを送っちゃった🙈 こっちに送ってくれる?急ぎなんだ
ストップ:このコードはあなたのアカウントそのもの
このコードがあれば、誰でもあなたとしてWhatsAppにログインできます。本当の友だちが、あなたのコードを必要とすることはありません。
だから、スマートフォンに届いたコードは、たとえ友だちにでも絶対に教えないでください。WhatsAppも同じことを言っています。そして、各アプリが用意している追加のロックをオンにしましょう。WhatsAppの2段階認証(設定 > アカウント > 2段階認証)、Telegramの2段階認証(設定 > プライバシーとセキュリティ > 2段階認証)、そしてSignalの登録ロック(設定 > アカウント > 登録ロック)です。
番号を直接奪われることもあります。SIMスワップでは、犯罪者が携帯電話会社を言いくるめて、あなたの番号を自分のSIMカードに移させます。不正防止サービスのCifasによると、イギリスでは無許可のSIMスワップが2024年に1,055%増え、2025年にはさらに38%増えました。
それに、電話番号はそれだけで、あなたについて多くを語ります。多くの国では番号が本人の名前で登録されていて、2025年には研究者たちが、電話番号を照会するだけで35億件のWhatsAppアカウントを確認しました。それが、私たちが電話番号なしのメッセージアプリを作った理由(英語)の大きな部分を占めています。
3. スマートフォンとそのバックアップ
iPhoneでは、同じApple AccountでサインインしているほかのAppleデバイスにも、iMessageが表示されることがあります。古いiPad、家族で共有しているMac、存在を忘れていたノートパソコンなどです。設定 > [ユーザー名] で一覧を確認して、使っていないものは削除しましょう。個人情報安全性チェック(設定 > プライバシーとセキュリティ > 個人情報安全性チェック)なら、さらに踏み込めます。どのデバイス、人、アプリがアクセスできるかを表示し、ワンステップでまとめて遮断できます。
そして、スパイアプリもあります。ストーカーウェアとも呼ばれ、ロックが解除されたあなたのスマートフォンを手にしたときに、誰かがインストールするものです。Coalition Against Stalkerwareによると、警告サインには、バッテリーの減りが速い、データ使用量が急に増える、スクリーンタイムが説明のつかないほど増える、見慣れない通知が届く、といったものがあります。ただ、いちばんはっきりしたサインは、知るはずのないメッセージの内容を知っている人がいることです。
パートナーや元パートナーが何かをインストールしたと疑われる場合は、慎重に行動してください。Coalitionは、削除すると相手に気づかれて状況がより危険になるおそれがあり、証拠も消えてしまうと警告しています。まずは支援窓口に相談しましょう。
2分でできるチェックリスト
一度ひととおり確認して、何かおかしいと感じたときにも、また見直しましょう。
- 1使っているすべてのメッセージアプリでリンク済みデバイスの一覧を開き、心当たりのないものはログアウトさせます。
- 2WhatsAppとTelegramでは2段階認証を、Signalでは登録ロックをオンにします。
- 3スマートフォンに届いたコードは、たとえ友だちにでも絶対に教えません。
- 4iPhoneでは個人情報安全性チェックを実行し、Apple Accountにサインインしているデバイスを見直します。
- 5スマートフォンには強力なパスコードを設定し、ロックを解除したまま人に渡さないようにします。
- 6スパイアプリの警告サインに気を配ります。
Morseはこれらの扉をどう閉じているか
こうした設定の確認は効果がありますが、すべてのアプリで、何度も繰り返し、忘れずに行う必要があります。私たちがMorseを作ったのは、こうした扉のほとんどが、そもそも存在しないようにするためです。
- リンクしたデバイスがありません。Morseのアカウントは1台のスマートフォンにだけ存在します。Web版もデスクトップアプリも、リンクする2台目のデバイスもないので、あなたのスマートフォンを手にした誰かが、こっそりデバイスを追加することはできません。
- 電話番号がありません。Morseは電話番号を一切求めないので、だまし取られるSMSのコードも、SIMスワップで乗っ取られる番号もありません。詳しくは電話番号なしのメッセージングをご覧ください。
- 鍵はあなたのスマートフォンに残ります。iPhoneでは、Morseの鍵はそのスマートフォン専用として保存されるため、バックアップをほかのデバイスで読むことはできません。Androidでは、Morseはクラウドバックアップの対象から完全に外されています。
- しっかり効くロック。PINを設定すると、Morseはアプリを離れたとたんにロックされ、データベースを閉じます。だから、ロック解除されたままテーブルに置かれたスマートフォンでも、チャットは開きません。さらにパニックボタンを使えば、ロック解除画面からでも、ワンステップでアカウントを消去できます。
正直に言うと、限界もひとつあります。チャットを開いたまま、ロック解除されたスマートフォンを誰かに持たれたら、画面に表示されているものを守れるアプリはありません。画面を録画するスパイウェアからも守れません。強力なパスコードは、今もあなたの最初のロックです。
3つの入り口を並べて比較
- リンクしたデバイスロック解除されたスマートフォンを手にした人なら、誰でもパソコンを追加できる
- 電話番号SMSで届くコードでログインできる
- スマートフォンとバックアップバックアップやほかのデバイスにチャットが残ることがある
Morseを試す
スマートフォンは1台だけ。電話番号もリンクしたデバイスもありません。すべてのチャットと通話をエンドツーエンド暗号化します。
まとめ
メッセージを読むために、エンドツーエンド暗号化を破る必要はありません。その周りにある扉を使えばいいのです。リンクしたデバイス、電話番号、またはスマートフォンそのものです。
今日のうちにリンク済みデバイスを確認し、2段階認証をオンにして、コードは絶対に人に教えないでください。あるいは、そもそも扉の少ないメッセージアプリを使うのも一つの方法です。その仕組みが気になる方は、私たちが電話番号なしのメッセージアプリをどう作ったか(英語)をご覧ください。
出典
- 1.Messenger-Überwachung: Immer mehr Polizei überwacht Messenger wie WhatsAppnetzpolitik.org、2026年9月2日(ドイツ語)。
- 2.Signals of Trouble: Multiple Russia-Aligned Threat Actors Actively Targeting Signal MessengerGoogle Threat Intelligence Group、2025年2月。
- 3.How to unlink a deviceWhatsAppヘルプセンター。
- 4.Account security tipsWhatsAppヘルプセンター。
- 5.Unlinking devicesSignalサポート。
- 6.Telegram FAQTelegram、端末と2段階認証について。
- 7.Review devices signed in to your Apple AccountAppleサポート。
- 8.Check your messages on your computer or Android tabletGoogle メッセージヘルプ。
- 9.Log out of Facebook on another deviceFacebookヘルプセンター。Messengerにも当てはまります。
- 10.Stalkerware detection, removal and preventionCoalition Against Stalkerware。
FAQ
よくある質問
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